法人保険を節税対策として活用するには、複雑な仕組みを理解する必要があります。

法人保険が節税につながるメカニズム

仕組みを解説するサラリーマン

法人保険は商品と契約内容に応じて保険料の100%を損金にできます。
法人保険料を損金として払込した当期の利益を減らせば、法人税の課税対象になる金額が減額されて節税に繋がるメカニズムです。

 

ここまではシンプルな内容で、火災保険や自動車保険など掛け捨て型の保険であれば、単純に損金算入できる分だけ節税になると理解しておけば問題ありません。

 

注意が必要なのは解約返戻金が発生する生命保険や積立保険です。
節税はしたいけど無駄な保険料は支払いたくない場合、最大で解約返戻率100%超えの法人保険に加入することが可能です。

 

この場合、保険料を支払ったタイミングで損金を計上し、解約返戻金を受け取ったら益金を計上しないといけません。
仮に保険加入時に100%損金計上して100%の解約返戻金を受け取って益金計上すればトントンになる計算ですが、それでも上手に活用すれば大きな節税が可能です。

 

 

解約返戻金と出口戦略

法人保険で節税対策する際は解約返戻金の受取時期を見据えた出口戦略を立てておくことが重要です。
ちなみに、法人保険は加入時に一括払いで保険料を支払い、数年以上にわたって保障を受けられるケースもあるので、節税対策だけを見た場合は月単位や年単位で保険料を支払い続けるリスクを考慮しないで済む活用法もあります。

 

個人保険の終身保険や養老保険の場合、加入してから満期解約前に中途解約すると解約控除が差し引かれ解約返戻率が大幅に低くなってしまいます。
そして保険料払込期間など一定の期間を加入すると解約返戻金が100%を超え、その後は解約時期を遅くするにつれて解約返戻率がどんどん高まっていくものです。

 

法人保険でも満期前の中途解約すると解約控除で大損するまでは共通していますが、一部の法人保険は解約返戻率が高い時期が決まっていて、有利な時期に解約しないとどんどん解約返戻率が下がっていってしまうケースがあります。

 

そのため、事業収益や設備投資に応じて解約するタイミングを決めるのではなく、契約する時点で解約する時期とその時期に応じた出口対策を決めておくことが大切です。

⇒ 途中で解約すると損?契約期間と返戻率の関係

 

主な活用法

 

利益が出た
  • 設備投資したい物がある → 法人保険ではなく車の買い換えや設備投資で節税する
  • 今すぐ必要な設備投資がない → 解約返戻率と損金計上率が高い法人保険に加入する

 

益金の受取
  • 解約返戻率がもっとも高い時期に解約
  • 契約時に計画していた車の代替や自社ビルの外壁補修、従業員の退職金などで益金を相殺する

 

 

死亡保険金で受け取れば節税

経営者や役員などへ保障をかけて、万一死亡して死亡保険金として受け取った場合、解約返戻金として受け取るよりも税制面が有利です。
退職金や弔意見舞金として計上できる金額の割合によって税率が変わりますが、多くのケースで死亡保険金に対しての課税対象額が25~50%ほどに軽減されます。

 

法人保険は高齢な経営者の方でも加入できる保険商品が多く、一時払であれば持病持ちでも加入できる保険商品が多数あります。
大きな節税効果を得られる時期は読めませんが、継続的に法人保険に加入し続けていれば、死亡保険金を受け取るタイミングで大きな節税効果を得られます。

 

 

複雑な仕組みに注意

今回は全般的なお金の流れを中心に法人保険が節税になるメカニズムを簡単にまとめましたが、法人保険と税金は保険金受取方法(一括・年金払い)損金算入割合など、複雑な仕組みを理解しておかないと節税効果を活かしきれません。

 

また、実質解約返戻率の低下によって思わぬ損失が発生するケースもあるので注意しましょう。
利益が出たタイミングで法人保険に加入し、解約返戻金を受け取るタイミングで設備投資して益金を相殺する方法を実践すれば相応の節税効果を得られますが、無駄を減らして効率良く活用するためにも、保険や税金のプロとしっかり相談しながら加入検討するようにしてください。

 

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